平岩医院

愛知県碧南市 内科・循環器内科・糖尿病内科・眼科

院長 平岩堅太郎 / 副院長 平岩紀子

診療案内 [循環器内科]

虚血性心疾患について

狭心症は心臓自体に血液を供給している冠状動脈に動脈硬化が出来て内腔が狭くなり、その結果血流量が減少し、心筋が酸素不足に陥って起る病気です。冠動脈硬化が進行して内腔を閉塞すると血流は途絶し、末梢の心筋は壊死に陥ります。これが心筋梗塞です。この様に狭心症と心筋梗塞は同じ原因で起る類縁疾患であることから一括して虚血性心疾患と呼ばれています。
従来我国では虚血性心疾患の頻度は比較的低いとされていましたが、食習慣の欧米化、高齢化社会への移行、診断技術の高度化などにより次第に増加して来ており、その診断と治療、予防に膨大な費用をかけて死亡率を減少させようという努力にもかかわらず21世紀にはガンを抜いて死亡率第1位となることが予想されています。
この様に恐れられている心疾患ですが、病気について基礎から学んで行くとモヤが晴れて恐怖感も薄らいで行くでしょう。

【解剖―心臓と冠状動脈】

図1は心臓の正面図で、表面を枝分かれして走行する血管が冠状動脈です。
図2は心臓の内面で、右下の壁が左心室です。
図3は冠状動脈の正面図で、@が右冠状動脈 Eが左前下行枝 Jが左回旋枝です。この3本が主要な血管であとは小さい枝です。

【冠動脈硬化】

こちらの映像が狭心症の原因である冠動脈内腔の動脈硬化です。これが進行して内腔を閉塞すると心筋梗塞を引き起こします。

【リスクファクター】

虚血性心疾患の危険因子として次のものが知られています。重なると発症の確率がより高くなります。

  1. 高血圧症
  2. 高脂質血症
  3. 糖尿病
  4. 肥満
  5. タバコ
  6. ストレス
  7. 高尿酸血症
  8. 遺伝
  9. 性格
  10. 運動不足・過食
【狭心症・心筋梗塞の症状】

図5図6を参照して下さい。
狭心症は典型例では労作時に前胸部がしめつけられたり圧迫される感じが数分間持続し、安静で軽快します。左肩や背部に放散したり左腕がだるくなったりすることもあります。なお冠状動脈のレン縮(ケイレン)が原因の異型狭心症は夜間、早朝の安静時に狭心症状を認めます。
心筋梗塞は典型例では冷汗を伴う激しい胸痛が1時間以上持続し、狭心症の時有効だったニトログリセリンは効きません。呼吸困難や不整脈やショック症状を呈することも有ります。

【狭心症・心筋梗塞の診断】

これはドクターの仕事ですから簡単に述べます。病歴、診察、心電図、レントゲン、生化学検査、心機図、心エコー、シンチグラフィー、冠動脈造影等にて総合判断します。

  1. 心臓神経症
  2. 肋間神経痛
  3. 筋肉リウマチ
  4. 胸膜炎
  5. 動脈瘤破裂
  6. 肋骨骨折
  7. 脊椎疾患
  8. 胃・十二指腸潰瘍
  9. 胆石症
  10. その他
【狭心症・心筋梗塞の治療】

図5、6を参照してください。
これもドクターの仕事ですから簡単に述べます。狭心症は冠動脈造影を行って内科的治療にするか外科的治療にするかを決定します。心筋梗塞はCCUと呼ばれる集中治療室で最良の治療を行います。退院時にはやはり冠動脈造影を行って今後の治療方針を決定します。

【難解でも非常に重要な検査・治療法】

図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11を参照してください。

  1. 冠動脈造影 図7
  2. A−Cバイパス 図8
  3. PTCA(経皮的冠動脈形成術) 図9
  4. PTCR(経皮的冠動脈内血栓溶解術) 図10
  5. バルーンパンピング(大動脈内風船ポンプ療法)
  6. VAD(左室補助心臓)
  7. 心臓移植 図11
【狭心症・心筋梗塞の予後と将来】

狭心症は、それ自体で死亡することは少ないのですが、冠動脈硬化が進行すれば不安定型狭心症の状態を経て心筋梗塞へ移行します。心筋梗塞は死亡率が約25%の恐ろしい疾患で、発作が2回・3回と起れば生存は危くなるでしょう。
現在では、虚血性心疾患の予後は冠動脈造影によって予知が可能となりました。一枝病変、二枝病変、三枝病変の順に予後が悪くなります。三枝病変でも外科的適応があればA−Cバイパス手術を受けた方が生活もエンジョイでき、しかも予後は良好です。
しかし、A−Cバイパス手術の適応にもならない放っておけば確実に死ぬ収縮の悪い心臓病患者に救いは無いのでしょうか?これを救う方法は心臓移植しかありません。欧米では年間1000例以上の移植がなされており、生存率も著明な改善がみられ、日本でも2例目の移植術の日は近いと予想されます。


高血圧症について

高血圧症は収縮期血圧が140mmHg以上又は、拡張期血圧が90mmHg以上のものを云います。
高血圧症の原因は90%以上が原因不明の本態性高血圧症で、残りの10%が腎実質性、腎血管性、内分泌性、大血管性、薬物誘発性等を原因とする二次性高血圧症です。
自覚症状は殆んど無いことが多いのですが、頭痛、四肢シビレ、赤ら顔、めまい、イラツキ等があげられます。合併症(余病)を起こすと、眼では眼のかすみ、視力障害、脳では半身麻痺、心臓では動悸、息切れ、狭心症状、不整脈、腎臓ではむくみ、脚の血管では跛行等を認める様になります。
必要な臨床検査は検尿、血液検査(電解質、脂質、BUN、クレアチニン、レニン、アルドステロン等)、胸部レントゲン、心電図、眼底撮影、エコー等です。これらと十分な問診と診察により、本態性高血圧症と二次性高血圧症とを鑑別します。
治療は生活習慣の是正(禁煙、食塩制限1日7g以下、アルコール制限、減量、運動不足の解消等)と降下剤療法です。降下剤には利尿薬、α遮断薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、中枢性交感神経抑制薬、ACE阻害薬、AU受容体拮抗薬等が有ります。これらの薬剤の作用機序、副作用に留意し、病期に注意を払いながら最適なものを選択します。最近では大規模介入試験の結果から臓器保護作用を有するACE阻害薬、AU受容体拮抗薬、心事故防止に役立つβ遮断薬等が長生きできる薬剤として注目されています。
予後は重症度に密接に関係します。すなわち脳出血・脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、腎硬化症・腎不全、大動脈瘤等を起こせば確実に生命予後は悪化します。これらの合併症を未然に防ぐことが肝要で、生命予後はまさに皆さんの日頃の療養態度にかかっていると云っても過言ではありません。高血圧症にまじめに取組み長生きしましょう。


不整脈について

ストレスは諸臓器に対して悪影響を及ぼしますが、とりわけ心臓に対してはその影響が大きく、殊に不整脈発生の引金となったり、狭心症の発作を引起こしたりし、心筋梗塞の危険因子(リスクファクター)の一つに数えられています。 不整脈は鈍感な方は何も感じませんが、通常は動悸、脈の結滞、胸痛、胸部不快感として感じる様です。種類としては疲労時、美女に出会ってヒヤーとした時等に出る害の無い病気といえないものから、脈が遅くなった時に補充的に出るものや運動中脈が早くなった時に出る害の有るものなどがあります。最も重篤なものは心室細動と呼ばれ、放置しておくと意識を失い、数分のうちに死亡する恐ろしいもので、期外収縮の連発や多種類の期外収縮等が引金となります。かつては見逃されていた不整脈も、現在では長時間記録心電計(ホルター心電計)の開発により診断が容易と成ってきており、症状の有る方、心配でたまらない方は一度検査を受けられるとよいでしょう。
狭心症は典型例では労作時に前胸部がしめつけられたり、圧迫されたりする症状が2〜3分間持続し、安静で軽快する特徴が有ります。原因としては心臓に血液を供給する冠状動脈に動脈硬化が起きて、心筋が酸素不足に陥ることが挙げられます。ストレスは発作の誘発、動脈硬化の促進を起こし、その結果、狭心症状は悪化します。この状態は不安定型狭心症と呼ばれ、心筋梗塞の前駆状態と考えられています。
心筋梗塞は冠状動脈が完全閉塞し、末梢の心筋壊死(収縮しなくなる)をきたすもので、狭心症とは異なり、前胸部におこった冷汗を伴う激痛が1時間以上持続し、ニトログリセリンの効果が無いことが特徴です。冠状動脈疾患の危険因子はストレスの他にタバコ、高血圧症、高脂血症、肥満、高尿酸血症、遺伝等が確認されています。
最近、冠状動脈を直接レントゲン映画に撮影する方法が開発され(冠状動脈造影)、冠状動脈の動脈硬化の部位、程度、左心室の収縮異常の有無がわかり、手術(バイパス手術、瘤切除術)適応の有無もわかるようになりました。狭心症、心筋梗塞の既往のある方はもちろん、危険因子の多い方、不明の胸痛のある方は一度、冠状動脈造影を実施されることをおすすめします。


高脂血症について

レオナルド・ダ・ビンチの名画モナ・リザの眼瞼にあるのが黄色腫です。これは主にコレステロールの塊で、彼女が高脂血症、つまり血液中の脂肪分が異常に高かったことを想像させます。凡そ500年経過した現在の先進国では虚血性心疾患が死因のトップ占めており、この危険因子の一つとして高脂血症が注目されています。
血液中の脂肪分にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸等があります。
その役割は細胞膜の構成成分、ステロイドホルモンの材料、胆汁酸の原料、エネルギーの蓄積等不可欠なものですが、過剰になると人体に悪影響を及ぼします。
高脂血症の原因は大部分が脂肪分や糖分、アルコールのとり過ぎです。二次性高脂血症と言って糖尿病、ネフローゼ、甲状腺機能低下症等も原因となります。稀な原因として家族性高リポ蛋白血症があります。
臨床症状は殆んどの患者が無症状ですが、重症例で角膜輪、眼瞼・肘関節・アキレス腱等に黄色腫が見られます。
採血は食事の影響で中性脂肪等が上昇するのを防ぐ為早朝空腹時に行なうのが原則です。これを遠心分離すると正常人では血清は黄金色なのに高脂血症患者では混濁・白濁します。分析機で測定してコレステロールが220mg/dl以下、中性脂肪が160mg/dl以下を正常とします。
治療は食事療法が基本で総カロリーを抑制し、特に脂肪摂取量を減らします。運動療法も大切で、適当なエクササイズは体重・脂質を減らします。クロフィブレート、プロブコール、プラバスタチン等の薬物療法は最後の手段と考え、自己努力します。

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