平岩医院

愛知県碧南市 内科・循環器内科・糖尿病内科・眼科

院長 平岩堅太郎 / 副院長 平岩紀子

診療案内 [糖尿病内科]

糖尿病について

糖尿病は血糖を下げるインスリンの絶対的又は相対的不足によって起きる高血糖をきたす疾患で、経過につれ眼・脳・心臓・腎臓等の最小血管が侵されます。
 糖尿病の原因はインスリンの絶対的不足の1型ではウィルス説が、大部分を占める相対的不足の2型では遺伝因子説が有力ですが、これに環境因子が後押ししているものと考えられています。
 自覚症状は多食、口渇、多飲、多尿等があげられます。三大合併症(余病)を起こすと、糖尿病性網膜症では視力障害から失明、糖尿病性腎症ではむくみや腎不全の症状、糖尿病性神経障害では四肢のシビレ、感覚鈍麻、排尿・排便障害等を認めます。他に脳では脳梗塞、心臓では狭心症・心筋梗塞、脚の血管では跛行・懐死等多彩な臓器障害を起こす為、糖尿病は合併症のデパートと呼ばれています。
 必要な臨床検査は検尿、アルブミン定量精密測定、血液検査(空腹時・随時血糖、ヘモグロビンA1c、電解質、脂質、BUN、クレアチニン、アミラーゼ等)、胸部レントゲン、心電図、眼底撮影、エコー等です。空腹時血糖が126mg/dl以上、随時血糖が200mg/dl以上、ヘモグロビンA1cが6.5%以上のいずれかであれば糖尿病と見なします。
 治療には食事療法、運動療法、薬物療法が有りますが、前の2つが基本となります。食事療法は、まず自分の摂取しているカロリーをチェックし、次に管理栄養士から仕事量に見合ったカロリーの食事指導箋を発行してもらいます。これらは食品交換表を基にしており、単位数で示されます。1単位は80kcalで、従って20単位は1600kcalに相当します。軽い糖尿病の場合はこれのみで改善が見られます。カロリーだけでなく高脂血症、高尿酸血症、高血圧症、糖尿病性腎症等にも対応する必要が有ります。
 運動療法は食事療法と対を成すもので車の両輪にたとえられています。両者の相互作用により、体重減少をはかるわけです。運動療法を目標心拍数の60%程度とした有酸素運動を1回少なくとも30分、週3回以上することが必要とされますが云うに易し、行ない難し。続けるには強い意志がいりますし、余り効率が良くありません。というのは仮に1回の消費カロリーを300kcalとすると週900kcal、1ヵ月で合計3600kcalが消費されてもたかが体重は3600÷9000=0.4kg減少するにすぎません。つまり運動だけしていてもダメで必ず食事療法と対でやる必要があるわけです。
 薬物療法は経口血糖降下薬、食後過血糖改善薬、インスリン抵抗性改善薬、インスリン製剤が用いられます。経口血糖降下薬に膵β細胞からのインスリン分泌を促すスルホニル尿素薬(SU薬)系のラスチノン、ダオニール、グリミクロン、最近発売されたアマリールの他に肥満症例によく効くビグアナイド系のメルビン、超速効型インスリン促進薬であるフェニールアラニン誘導体系のファスティック等が有ります。食後過血糖改善薬はα−グルコシダーゼの作用を阻害して食後の過血糖を改善するもので、グルコバイ等が有ります。インスリン抵抗性改善薬は、インスリン抵抗性を是正することで血糖を下げるもので、チアゾリンジン系のアクトス等が有りますが、重篤な肝機能障害が報告されています。最近選択枝が広がったこれらの薬物の持つ作用や特性を見極めながら最適なクスリをチョイスします。
 インスリン製剤には作用時間が非常に短い超速効型のヒューマログ又はノボラピッド、速効型のヒューマカートR又はペンフィルR、中間型のヒューマカートN又はペンフィルN、混合型のヒューマカート3/7又はペンフィル30R、持続性のヒューマリンU又はノボリンU等が有ります。以前はブタやウシ等の動物インスリンを用いていましたが、最近市販のものはすべて遺伝子工学的に製造されている為、抗原性が低く、アレルギー反応、インスリン抗体、リポアトロフィーの出現頻度は低くなりました。これらのインスリン製剤の特性を生かし、血糖値を参考にして治療します。二昔前はインスリン注射は医療機関でのみ可能であった為、わざわざ毎日通院する必要があったのですが、現在では自己注射が認められ、患者さんが血糖を自己測定しながら、自宅で打てる様になりました。
 予後は合併症の有無によります。糖尿病性神経障害は発症後3〜8年、網膜症は7〜8年、やっかいな腎症は10年程度で出現します。これらに心・脳血管障害、ガン、高血圧症、高脂血症等が加わることも多く死亡年令は一般の人より10年短い数字が出ています。しかしながら、最初の5年間に合併症の出現がなければ予後は良好で有り、生命予後は正に皆さんの日頃の療養態度にかかわっていると云っても過言ではありません。糖尿病にまじめに取組み長生きしましょう。


ダイエットについて

【肥満の判定】
  1. 視診:顔面、腹部、臀部
  2. 体重測定、標準体重:身長(m)×身長(m)×22.2
  3. 簡易チェック:平岩式ウエスト測定法(肥満判定法)
  4. 皮下脂肪の測定:ハーペンデン、エコー、CT
【肥満を起こす理由】

原理:摂取カロリー>消費カロリー
食べすぎの為摂取カロリーが消費カロリーを上まわり、余分なカロリーが脂肪として貯蔵されます。

【余り食べないのに太ってしまう理由】

加令と共に基礎代謝率が下がってくる為消費カロリーが減少し、同じ摂取カロリーでもふとります。

【基礎代謝率とは】

安静時のエネルギー消費率で、1日の基礎代謝量は、子供は高く、中年以降低くなります。全エネルギー消費量のおよそ70%も占めます。

【基礎代謝率は上げられるか】
  1. 若がえり
  2. 発熱、甲状腺ホルモン
  3. エクササイズ

1、2は無理であるが、3をすると少しだけ上げることができます。

【やせ薬】
  1. 抗高脂質血症剤:ロレルコ、クエストラン、メバロチン等
  2. 下剤
  3. 甲状腺ホルモン
  4. 漢方薬:防風通聖散、大柴胡湯
  5. 臨床治験薬:ビーチャム社のβー3受容体作動薬、武田薬品のAO128
【なぜやせる必要が有るのか】
  1. 心臓病、糖尿病、高血圧等の成人病の予防の為
  2. スマートになりたいという欲求
  3. 役職不適格に対する不安(米国)
【悪いやせ方と良いやせ方】

悪いやせ方:特殊な食べ物を摂取したり、水分だけを減らし、結果として栄養不足になったり、ひからびたりします。
良いやせ方:おいしいものを、控え目に食べ、脂肪を落として体重を標準体重に持って行き、体力は温存します。

【ダイエットの基本】

主:摂取カロリーの抑制
副:運動によるカロリー消費
この2つをうまく組み合わせることが大切でどちらが欠けてもうまくいきません。

【正しいダイエットの仕方】

糖尿病食などのバランスの良い食事をとり適度な運動をして余分な脂肪を落とします。

1 糖尿病の食事療法の原則
1) 摂取カロリーを適正に
総エネルギー量の計算
2) 蛋白質、糖質、脂質の適正な補給
蛋白質:体重1kg当り1g以上で、1/3は動物性に
糖質:制限が必要で、最低限度は1日100g
脂質:カロリーが高い為とりすぎない
3) ビタミン及びミネラルの適正な補給
2 日本糖尿病学会編「糖尿病治療のための食品交換表」による食品分類
1) 糖質を主として供給する食品
表1: こく類、いも類、糖質の多い野菜及び種実類、豆類(大豆及びその製品を除く)
表2: 果実類
2) 蛋白質を主として供給する食品 表3: 魚介、獣鳥鯨肉類及びその加工品、卵、チーズ、大豆及びその製品
表4: 乳類及び乳製品(チーズを除く)
3) 脂質を主として供給する食品
表5: 油脂類及び多脂性食品
4) ビタミン及びミネラルを主として供給する食品
表6: 野菜類(糖質の多い一部の野菜を除く)、藻(海草)類、きのこ類、こんにゃく
3 ダイエットチェックと糖尿病食の利用
表1を参照して下さい。

まず食べた物の種類と量を記入して一日にどれだけ摂取カロリーがあるかを計算します。糖尿病食には1200kcal、1500kcal、1800kcal等があり無理のない計画を立てます。例えばダイエットチェックで1日2100kcal摂取していることがわかった後、糖尿病食の1800kcalを利用すれば、1日に300kcal摂取カロリーが減ります。これを1ヵ月間続ければ300・30=9000kcal減少となりこれは脂肪1kgの熱量に相当し、1ヵ月後は1kg体重減少するはずです。
4 高脂質血症患者の為の食品1単位当りのCIJ交換表 (中村治雄教授考案)
表2を参照して下さい。
CIJはCholesterol index for Japaneseの略です。健康人の1日のCIJを100〜120とします。高コレステロール血症患者はCIJの高い食品をなるべくとらない様にし、CIJを80〜90に抑えます。
5 ダイエットの工夫
1) 味付けを考える。
2) かさを増やす。
3) 脂肪は極力減らす。
4) 夕食を遅くとらない。
5) 外食はなるべく避ける。
【運動によるカロリー消費】

表3表4を参照して下さい。
日常労作でのカロリー消費はたかだか知れたもので、エクササイズで300カロリー消費するにはかなりの時間をかける必要が有ります。この様に運動によるカロリー消費は効率が悪く、これのみでは大してやせられません。


エクササイズについて

虚血性心疾患の危険因子の一つである肥満を防止するのに食事療法とエクササイズが有効なのは云うまでも有りません。エクササイズもふた昔前に流行した青竹踏みやぶら下がり器に替って、最近ではエアロビクス、ジョギング、スイミング、自転車エルゴメーター等が主流となっています。
一見健康そうな中年も成人病の入口に立っている訳ですから、運動を開始する前にメディカル・チェックを受ける必要が有ります。心疾患、高血圧、高脂血症、糖尿病等がチェックされれば専門医による診断と特別な運動処方が必要になります。
中年以降のエクササイズの目的は激しい運動をして筋力を増すことではなく、中等度の運動をして体脂肪の減少と持久力を増加させることに有ります。その為、運動の選択も重要で、酸素を取込んで体脂肪を燃焼させる有酸素運動をセレクトします。これにはエアロビクス、ジョギング、スイミング、エアロバイク等がマッチしており、重量上げや柔道、カートを使うゴルフ等は不適当です。
運動の強度は予測最大心拍数(220ー年令)の60%前後とし、時間は30分前後で少し汗が出る迄やります。消費カロリーは市販のカロリー・カウンターで測定可能です。頻度は週3回以上が望ましく、実施するには強い意志が必要ですが、無理をせず怪我をしない様注意しながらトライしてみて下さい。


肥満とダイエットについて

最近TVで流行るもの−思いきり○○、ビューティー△△・・・。雑誌やインターネットではエステティックや形成外科、サプリメント等の広告であふれています。絶妙の語り口で世の中の健康指向の聴衆をとりこにし、スーパーマーケットでの特定の食品を品切れにし、使用前・使用后の本人を登場させ、スタジオのタレントを驚かせながら世の中の女性の注目をあびさせ、「3ヶ月で10s、50万円でやせられる」なるコピー等で肥満者をその気にさせています。これらは序の口で法律に抵触スレスレあるいは完全に抵触しているものも少なくありません。やせ薬では平成14年夏には個人輸入の無承認許可医薬品で肝不全による死亡例が多発し大問題になりました。
 これでいいのでしょうか?答はもちろんノーです。無理なダイエットは栄養不良、肌荒れや貧血、長期的には骨粗鬆症の原因となります。最悪の悲劇的な例を示すと「特製茶」により平成元年美空ひばりが肝不全で、平成2年高峰美枝子が脳梗塞で死亡しています。
(週刊文春2002.12.12)
 ここで原点に戻ります。命題は「なぜやせる必要があるのか」です。なるほどスマートになりたい欲求、米国では役職不適格に対する不安から等色々ありますが本当の理由は心臓病、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病の予防の為です。やせることは生活習慣病の一次予防に役立ち、かかってしまっている場合でもコントロールを良くすることで生命予後を良くします。つまり長生きできることになります。
 本題に入ります。肥満の原因は食欲を抑制して体脂肪を減らすレプチンなる物質に対する抵抗性説や、エネルギー倹約遺伝子異常により脂肪を分解するβ3レセプターの構造変化説等様々な説が有りますが、大部分が食べ過ぎの為摂取カロリーが消費カロリーを上回り、余分なカロリーが脂肪として貯蔵されることに有ります。しかし若い頃と比べ食べる量は変わってないのに太ってしまう人も多いと思います。その理由は年令と共に基礎代謝率が下がってくる為、消費カロリーが減少し、同じ摂取カロリーでも太るわけです。
 やせる方法は食事療法、薬物療法、運動療法の3つが有ります。食事療法はまず食べた物の種類と量を記入して、1日にどれだけ摂取カロリーがあるかを計算します。次に糖尿病食などバランスの良い食事箋を管理栄養士に出してもらい実行します。もちろん適度な運動も必要で、有酸素運動により脂肪の燃焼をはかります。例を示します。摂取カロリーが1日2100kcalとします。ここで1800kcalの糖尿病食を利用すれば、1日に300kcalの摂取カロリーが減ります。これを1ヶ月続ければ300×30=9000kcalとなり、これは脂肪1sの熱量に相当する為、1ヶ月後は1s体重が減るはずです。もっと簡単な方法も有ります。私の考案した平岩式フードカット法です。これも摂取カロリーを知る必要があるのは同じですが、食事箋は不要です。
 普段食べている食物すべてをカットして摂取カ ロリーを減らすものです。間食もOKですが、やはりカットの対象になります。野菜・キノコなどはカットはしません。カット量が多くなる程、又体重が多い人程やせることができます。例えばわずか1/6カットで1ヵ月1sやせられます。簡単にいえばステーキを6分割して1切を残すだけでいいわけです。残りは次の日食べればゴミになりません。なぜ1/6カットかのヒントは「腹八分」から得ました。腹八分でカット量は20%ですから1/6カット法の17%は無理のない数値目標といえるでしょう。この方法は減量の必要の有る人ほど体重が減りますので効果は抜群です。又目標減量(kg)を摂取カロリー別に定めることができます。詳細については別にを作製しましたので参考にして下さい。
 次に薬物療法についてです。やせ薬には抗高脂血症剤、下剤、甲状腺ホルモン、漢方薬、食欲抑制剤、覚醒剤等が有ります。甲状腺ホルモンや覚醒剤は問題外ですが、他は意外に効果が有ります。メバロチン、ローコール、リピトールなどの抗高脂血症剤には下痢をおこす副作用が有ってこれで少しやせられるわけです。漢方薬では防風通聖散、大柴胡湯が有効です。京都府立医大の吉田俊秀教授によるとラットの実験で薬が、糖尿病などに結びつく白色脂肪細胞を減少させたり、脂肪を燃やす褐色脂肪細胞の働きを活発にする作用が有ることが判明しました。
つまり基礎代謝率が上がって消費カロリーが増加したわけでこれと食事療法、運動療法を加えればかなりの効果が期待できます。うれしいことに防風通聖散を飲みながらダイエットした場合、内臓脂肪を燃やすことでウエストが細くなるそうで女性に受けそうです。
(週刊朝日2002.10.18)
 食欲抑制剤は脳の摂食中枢を抑制して食欲を無くす薬で日本ではサノレックスの名で販売されています。もちろん処方箋が必要で、BMIが35以上の高度肥満者が対象となります。効果は抜群ですが治療期間は3ヶ月以内で、耐性により薬が効きにくくなることが有ります。
 運動療法に関してはここでは省略させて頂きます。

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